プログラミングを頑張る土木系専攻大学院生のブログ

主にプログラミングについて開発備忘録的な形で投稿しています。

【Python】都市気温シミュレーションで都市環境を分析してみた!プログラムも公開!

Python】都市気温シミュレーションで都市環境を分析してみた!プログラムはDL可能!


概要

都市の地表面・地中温度、都市気温の時系列変化をPythonでシミュレーションできるプログラムを作成しました。 気象データ(日射・大気放射)をもとに、差分法と熱収支モデルを用いて都市の熱環境を再現します。

以下の計算条件を設定することで、お好みの条件に合わせて、都市気温をシミュレーションできます。

  • 季節 → 夏・冬
  • 蒸発効率 → 植物の蒸散など蒸発による都市気温の冷却効果を調節
  • 人工排熱量 → 都市では車、エアコンなどの家電による人口排熱の影響を考慮
  • 風速
  • 地中の条件(深さ、空間刻み、地中下端温度など)
  • 日射吸収率 

ヒートアイランド現象の分析や都市環境の熱的影響評価、人工排熱や蒸発効率の効果検証など、都市の気温に関する様々な課題に活用できます。 また、Githubリポジトリにて、都市気温の算出過程を簡潔にまとめているので、参考になれば幸いです。


どんなことが分析できる?🔍

  • 都市の気温・地表面温度・地中温度の時間変化
  • 季節(夏・冬)や人工排熱、蒸発効率の違いによる都市気温の変化
  • 地中温度分布や地表面の熱収支
  • ヒートアイランド対策の効果検証
  • 都市計画や環境設計への応用

プログラムの使い方🖥️

Githubリポジトリ

urbanTemperatureSimulation (GitHub)

必要なもの

  • Python(3.8以上推奨)
  • 必要なライブラリ(numpy, pandas, matplotlib, japanize-matplotlib)

実行手順

  1. リポジトリをクローン
  2. 必要なライブラリをインストール bash pip install -r requirements.txt
  3. 入力データ(data/夏の全天日射量と大気放射量.csvdata/冬の全天日射量と大気放射量.csv)を配置。リポジトリをクローンした場合はそのままでOK
  4. src/calcUrbanTemperature.py 内のパラメータ(季節・蒸発効率・人工排熱量など)を設定
  5. プログラムを実行 bash python src/calcUrbanTemperature.py
  6. 結果(CSV・グラフ画像)が出力されます

シミュレーション結果の例📊 蒸発効率と都市気温の関係🌱🌡️

都市の気温は、地表面からの蒸発(潜熱フラックス)が大きく影響します。 ここでは、蒸発効率(β)を変化させた場合に都市気温がどのように変化するか、夏と冬それぞれでシミュレーションした結果を紹介します。


条件

  • 人工排熱は 0 で固定
  • 蒸発効率 β を 0, 0.2, 0.4, 0.6, 0.8, 1.0 の6パターン
  • 夏:最高 31℃、最低 21℃、地表面近傍大気の水蒸気圧 2750Pa、地下初期温度 26℃
    • 冬:最高 21℃、最低 2℃、地表面近傍大気の水蒸気圧 660Pa、地下初期温度 10℃

夏季:蒸発効率による都市気温の変化

蒸発効率 最高気温 (℃) 最低気温 (℃) 平均気温 (℃)
0.0 40.22 20.54 28.56
0.2 36.44 20.91 27.29
0.4 34.83 21.12 26.70
0.6 33.81 21.25 26.31
0.8 33.09 21.34 26.03
1.0 32.53 21.41 25.80

ポイント

  • 蒸発効率が高まるにつれて、最高気温が大幅に低下します。
    • β=0とβ=0.2で約4℃の差!
    • 土壌や水辺、緑地が少しあるだけでもヒートアイランド現象の緩和効果は大きい
  • 最低気温はわずかに上昇
    • 日中の熱の貯留が減り、夜間の放射が減るため最低気温が下がりづらい
    • 平均気温も蒸発効率が高まるほど減少し、蒸発による冷却効果が確認できました

冬季:蒸発効率による都市気温の変化

蒸発効率 最高気温 (℃) 最低気温 (℃) 平均気温 (℃)
0.0 24.49 2.35 11.11
0.2 22.88 2.25 10.39
0.4 21.78 2.17 9.76
0.6 20.89 2.11 9.22
0.8 20.07 2.05 8.75
1.0 19.04 2.00 8.32

グラフの例:冬季、蒸発効率0

冬季の都市気温の変化

ポイント

  • 夏と同様、蒸発効率が高くなるほど最高・平均気温が低下
  • 最高気温の下がり幅は夏場より小さい
  • 最低気温の変化はごくわずか(夏は最低気温が上がったが、冬は僅かに下がった)
  • 平均気温の減少幅は約2.8℃で夏と同等

まとめ・活用例

  • 都市の熱環境を手軽にシミュレーションできるので、研究・教育・都市計画・環境設計など幅広く活用可能!
  • パラメータを変えることで、様々な都市環境や対策の効果を比較できます。